■先日の「引込線2013」に続いてオルタナティブスペースを使ったイベント「黄金町バザール2013」に足を延ばした。もう何度も通っていて、何回目かよく覚えていない。だんだん規模が小さくなっているような印象があるのが気になるのだけど、今回はアジアからの参加者が多いことが特徴かもしれない。
毎回開催直後に行っているので、公開制作中の作品を見ることができないことが多いのだけど、今回はそれらが完成した状態で見れたのは良かった。印象に残ったのは相変わらずビビッドな作品で、寺島みどりの'A WHOLE NEW WORLD'が良かった。
新作では鎌田友介のインスタレーション作品が印象に残る。大戦中の焼夷弾攻撃をモチーフとした作品は、黄金町というよりはもっと汎横浜的な戦争の記憶を掘り起こしていた。ただ、それはもう黄金町という土地を特徴づけていた歴史には触れていないわけで、過去の作品と比べると少し物足りない感じもする。


サイトスペシフィックな作品が少なくなっているのは、同じ個所で繰り返しバザールを繰り返している以上、仕方ないことなのだと思う。過去との類似を避けようと思えばそうならざるを得ない。そうなると将来「黄金町バザール」はギャラリー的なものになっていくのだろうか。それでも展示規模が小さくなっていて、大きく手のかかった作品もだいぶ少なくなっているように見えることを思うとこのあとどうなっていくのか、余所者ながら心配になる。地域住民向けのアートイベントとして充実していくのか、あるいは越後妻有や瀬戸内国際のような出展すると自体がステータスになるようなイベントに育っていくのか、だんだんとその方向性が定まっていくところなのではないかと、そんな風に思っている。
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