■東京オペラシティーアートギャラリーの「アートがあればII」はアートコレクター数人のコレクションを集めて展示するという企画。個人コレクターとしては高橋コレクションなどは有名だけど、コレクターはもちろん他にもいらっしゃるわけで、そもそも東京オペラシティーの収蔵作品が寺田コレクションなのだった。
コレクションされた作品のそれぞれの作品は新作というわけでもなく、以前どこかの展示会で目にしたことがあるものも多い。それはそれでちょっと面白い。「自分なら買わないなあ」とか、「自分と趣味が似ているなあ」とかふつうの展覧会とはまた違った視点を持てる。コレクションの内容からコレクターの志向を推測するのも面白い。
その点では自分によく似た趣味を持っていると感じたのがA.K.コレクションで、内省的な作品で構成されていた。志賀恵理子の作品が多く、その中に混ざって置かれた荒木経惟の作品も同じような強い内省的な要素を見て取ってしまうのも面白い。コレクションはコレクターが作る自己表現の世界のようになっている。コレクションは基本的にプライベートなもので他人にみせるものではないから、汎的なテーマ性や作家性よりも個人の趣味が強く反映されることになる(あたりまえだ)。その点ではコレクションはコレクションであって、フィギュアや骨董雑貨などのコレクションと変わらないと思う。
それは確かに面白い作業だろう。お金かかりそうだけど。
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