■都現美は夏休みシフトで家族・子供向け企画がはじまった。毎年のこととはいえ、それでもジブリ企画の年よりはよかったかな。宇宙開発をテーマにした「宇宙×芸術」もじわじわくるものがあってよかった。以前3331で展示されていた「夏のロケット団」もしっかり展示されていて、宇宙への志向に胸がちょっと熱くなった。3331でももうちょっときっちり展示していればよかったのに。ただ、この期間の展示で一番面白かったのは常設展示だった。
「クロニクル1995-」と題された展示は1995年という年と、その後の日本現代美術として世に出てきた作品を一覧に展示する。とはいえ、全部を網羅できているわけもなく、ごく一部だけど。奈良美智は定番、名和晃平は「宇宙×芸術」で最新作の'Direction' 'Moment'を見せている一方で、常設では初期の作品'Pixel Cell'が展示されている。丸山直文、小沢剛、大岩オスカール、照屋勇賢の名前もあって、懐かしい作品にまた見えることができました。加藤美香の「カナリア」、船越桂の彫像3体も印象に残ります。
個人的には塩田千春ややなぎみわとか山口晃といった名前がないのはちょっと残念。
東京都現代美術館の開館20周年を期しての「クロニクル1995-」は過去20年の日本社会と日本現代美術の変遷を追うというコンセプトにまとめられた第一部と、95年以降に活躍した作家を集めた第2部から構成されている。目録に並ぶ作家名を観ると日本の現代美術の一線から中堅をほぼ網羅できそう。都現美の名前に恥じない、まさに「今」の美術作品が並んでいると思いました。
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