■「広島ノ顔」は写真家・荒木経惟の「日本人ノ顔プロジェクト」の一環として広島で撮影されたポートレート写真の一覧展覧会。昨年は名古屋でもやっていたような気がする。
写っているのは広島の市井の人々。いわゆる「普通の人々」。ポートレートには何のキャプションもつけられていない。モデルではない人を写しているけれど、よくある「記念撮影」的な写真とはもちろん違っていて、それぞれの写真に何がしか伝えてくるような力を持っているような印象を受けるのはもちろん写真家ご自身の力ということもあるのだろうけど、もともと誰しもそれだけの力を持っているのだろう。
大勢の中の一人として、もしかすると「没個性的」とも評されるかもしれないが、実際の話、本当に「没個性的」な人などいない。それぞれがそれぞれに「ユニーク」な存在なのだ。当たり前だけど。
同時開催の常設は「エヴリデイ/エヴリナイト」ということで、繰り返される日々の中にある「特別」を扱った作品をまとめている。もちろん、そのテーマは「広島ノ顔」とシンクロしている。
日々の繰り返しは平凡なわけではない。何か特別なものが、ただ繰り返されているだけなのだ。
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