■BankartNYKで気鋭の方々の作品を堪能した後、寒風に吹かれながらZAIMへ移動。ZAIMはZAIMで東藝大関連の展示が行われているのですが、名前がばらばらでわかりにくいです。ZAIMは普段からいろんな展示が同時に行われていて紛らわしいというのに。
ZAIMはいつもの別館と本館の地下で展示が行われていました。ビニールテープが廊下に貼られて飾り付けられていたのですが、ちょっと学園祭っぽい。原美でジム・ランピーのビニールテープ貼りの技を見ていますので、自然と厳しくなります。
面白かったのは有坂有由夢さんの「混成立体図」。混成立体はその通りですけど、図、だったのかなあ。小さなストラップについていそうな人形が多数、小さな部屋の奥の壁をびっしりと多い尽くしてテーブル珊瑚を壁に貼り付けたようになっていました。あの部屋はZAIMの各展示室の中でも窓が無くて一番小さなブースで、たいてい面白い使われ方をされるみたいなんですが、この作品も面白かったです。部屋の奥の方からぶわっと小さな人形の軍団があふれ出してくるかのような。
締め切った部屋の床一面に色とりどりの付箋を敷き詰めて、空調の風で草原のようにそよいでいる部屋もあって、(作者も作品名も失念)あれも面白かった。
ただ、今回ZAIMで一番印象的だったのは地下の展示室でした。どの展示会も地下については薄暗くされるんですが、今回も例外ではなく。薄暗くて、人気が無いとちょっと怖い感じもすると思うのですが、そんな展示室の中を覗くと床に幾つかの掛け時計が積み上げられていたり。ちょっとノスタルジックな空間は田中一平さんの'BLINK -CLOCK-'。さらに奥に進んでいくと、小部屋があって、その中は鮮やかな夕焼け。優しい空間は今井明日香さんの'SunsetWeeds 2009'。そして一番奥の部屋を覗いてみると、何かきらきらした魚が空間を泳いでいました。益田悠紀子さんの'アタイズム'という作品。「アタイズム」ってミーイズムの転用ですかね。
地下の展示作品は、造形物そのものよりも、造形物が置かれたことによって再構成された空間の雰囲気が作品なのかな、と感じていました。観客の中には、やはり個々の造形物に目が行って、ちょっと不思議な空間には気が付かない(まあ、そんなこと感じていたのは自分だけなのかもしれませんが)ような方もいて、それはもったいないなあと思っていました。