■京都のPARASOPHIAのことは年頭あたりに知っていたのですが、場所が場所だけになかなか時間が作れず、ようやく会期も終わり間近になって行くことができました。自分のTLではあまり評判がよろしくなかったのですが、見るだけ見ておこうと。とりあえず初日は京都市美術館と鴨川デルタの2か所。
京都市美の向いにある京都国立近代美術館ではヤゲオ財団コレクション「現代美術は世界の宝」展がタイミングよく来ているのですが、昨年竹橋で見ているのでそちらはパス。
京都市美術館の建物は昭和8年からだそうで、戦後は進駐軍に接収されたりした歴史もあるとのこと。展示された作品は今ある展示空間の雰囲気を生かしたインスタレーション、美術館の歴史を意識した作品、空間や歴史と関連はない作品の3つにだいたい分類することもできると思います。あまり「京都」を意識した作品はなかったように思います。「京都市美術館」という建築物を意識した作品はドメスティックな色彩が強くなり、地方でよくある現代美術のビエン/トリエンナーレ展風になっているのが印象的でした。
京都は国際的な知名度は高いはずですが、特徴が記号化されすぎているのかもしれません。その記号化された「京都」をとっぱらうと、観光資源を持つ地方都市の姿が出てくるのではないかと思います。
京都市美の展示で面白かったのはウィリアム・ケントリッジのアニメーション作品でした。あとはあんまり印象が残りません。改めて配布パンフレットを見ていて気が付いたのですが、見落としている作品が幾つかあったようです。順路がはっきりしないので、前部をまわれたのかどうかよく解らない展示になっていたのは残念だったと思います。建物の構造に依存しているのかもしれませんが。
初日は京都市美を見てから鴨川デルタへ移動して、《3つの歌》を聞いて終わりました。《3つの歌》は鴨川の河原にアカペラの歌が流れる、情緒的な作品ですが、歌の内容そのものがわからないのでBGMとして終わってしまった感じがあります。