■新年に入り原美術館の企画展時が入れ替わり。新しくはじまったのはジャン=ミシェル オトニエルの「マイ ウェイ」。パワフルな印象を受ける展示でした。ソフトボールよりも一回り大きなガラス球をビーズのように組み合わせた作品を作る。ハラミュージアムアーク正面に設置されていた赤いハートのオブジェを連想したのだけど、やはりそれもオトニエルの手によるものでした。
オブジェとは別に色鉛筆で描かれたスケッチも展示されていたのですが、そちらはきらきらとした小さくかわいらしい印象を受けるデザインで、オブジェとは若干印象が違うのが面白かった。オブジェの方はバロックなガラス玉の連結体が、存在感を強く主張している。
ビーズ細工の作品ということで内藤礼の作品を連想したのだけど、内藤の作品はこの世界にひっそりと侵入してきた何かの存在を感じさせるのに対し、オトニエルの作品は荒々しく自己主張している。
女性性を強く主張しているのも同様でやはり通底しているのは自身の存在だろう。「マイ ウェイ」というタイトルは企画展の内容をよく表している。もっとも、大抵のアーチストはそういうものだと思うけど。
印象に残ったのは「ラカンの結び目」という大型の作品で、展示室の雰囲気に緊張を与えていた。〈聖なる侵入〉を思わせる雰囲気。ただ、この「ラカンの結び目」はたぶん「ボロメオの結び目」と呼ばれるものではないかと思う。
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