■山口県の菅野ダムへ行くには、徳山駅前から須金行きのバスに乗る。はず。菅野ダムはバスの行き先である須金にはなく、その途中にある。はず。なにせ、知らない土地の知らないバス路線なので今ひとつ解らない。
経由は解るが途中のバス停に関する情報が無くて、折り場所に不安が残るが、これはいつものこと。経由の須々万を過ぎた後が注意点で、「管野」という地名が入るはず。バスで30分ほどの場所になるはずだ。
あいにく天候は曇り。雲に切れ間はあって、それほど暗くはない。翌日は晴れとの予報なので待っても良かったかもしれないが、土曜に遠出するのは半ば習慣のようになっていて、じっとしていても落ち着かない。それにやることもないのだし。
予報によれば最高気温は15℃。ただ、前線が通過している最中で風がつよい。体感温度はそれより低いだろう。耐寒装備の3レイヤー。
10分も走るとバスは山の中。左手に谷底を見て、バスは登坂車線を上る。山道を抜けるとやや開けた町にでる。このあたりが須々万に近いはずで、バス停留所案内に注意する。
ただ、地理に暗い悲しさで、降りるバス停を間違えてしまう。降りるのがだいぶ早かった、というのは去年南伊勢町界隈を探検したときもやったこと。降りたのは「須々万川」バス停。須々万川は菅野ダムへ流れ込む川の一つ。
携帯付属のGPSアプリでロケーションを確認すると、降りた場所はダム湖の南側で、ダム堤体へは湖畔をぐるりとまわることになるようだ。久しぶりの山道のトレッキング。アスファルトの簡易舗装はされているが、落ち葉は積もり放題。それでも轍はあって、こんな道に何しに車が入り込むのか不思議に思う。ただ、轍は道全体を貫いてはおらず、たぶん、脇道に使えるかと思って入ったものの断念したのではないかと思う。
1時間ほど歩いて一般道に。そのまま歩いて「戻路」という集落を抜け、さらに1時間ほど歩くとダムに着いた。
周辺に人家は見あたらず、山深くしまわれているといった風情。たださらに奥に歩くと、遠くに再び人家が見えてくるから、ダムが里に近いというより、人々がそれだけ拡散して暮らしている土地ということなのだろう。これだけ山ばかりでいたるところに緑があると、確かに幾らでもダムを作ってしまえという気持ちになるかもしれない。山の緑があまりにもありふれている。というより、暴力的ですらある。
管野ダムは山口県内第2の規模を誇るそうで、さすがの高さ。今までカジュアルで垂直面を持たないアースダムに慣れきっていたところで、久しぶりにわずかばかりの恐怖感を覚えた。真下を見下ろしても今ひとつ距離感が掴めない。川下側の谷の見下ろしは絶景。地形的には山口に来て初めて目の当たりにした末武川ダムに若干似ているが、山の中に閉じた菅野ダム出口付近の印象は若干骨っぽい。
問題は帰りのバスで、行きで降り場所を間違えてよけいな時間がかかってしまったために、帰りのバスまでだいぶ時間があいてしまう。仕方ないのでダム周辺をうろつきながら時間を潰していましたが、風をしのげる場所がないのはつらかった。
バスで行くなら徳山駅を正午頃にでるバスを使うとダムでの滞在時間は2時間ほどになるので手頃なような気がする。今度行くときはそうする。
ダム周辺をトレッキングするつもりなら9時代(9:25)のバスを使うのが適当かもしれない。ただし、帰りのバスは11時代を逃すと次は14:48だから、時間をつぶすのは大変だ。