■自分の本拠地は横浜だけど、今は仕事で山口に常駐している。去年は名古屋で、常駐暮らしは多少は慣れた。コツはモノを多く持ち込まないこと。退屈だからとモノを蓄積させると後が大変だ。よほどキャパの大きい輸送手段を手軽に使える状況でもなければやめたほうがいい。でも今回、マンガ本を持ち込んだ。多少訳あって。
理由は単純で、一緒に仕事をしている若い衆があんまりマンガを知らないようなので、適当に貸してくれないかというもので。
自慢じゃないけど、自分が読むのは偏っている。
あれこれ考えた末、運び込むのは次の作品にした。まだ連載途中のものもあれば、とっく完結しているものもある。
「のだめカンタービレ」
の、1巻、2巻。ついこないだ完結したばかりですが、ヨーロッパ編の実写もあることですし。多少話題性もあってよろしかろうと。
のだめ前半部の表装は「マイ・フェア・レデイ」というか「ピグマリオン」型の物語のように思えるのですが、終わってみれば、実はマッチョな千秋をフェミニズム的な着地点に降ろす物語でした。ただ、結部は少し迷走気味だったようにも思います。ただ、二人の連弾で締めるのは象徴的で良かったです。1、2巻ではまだそこまでは遠いわけですが。
「コンシェルジュ」
これも1巻、2巻。短大出たての女の子がホテルに入っていきなりコンシュエルジュ部門に配属され、そこで出会ったベテランコンシュエルジュに一流の仕事を仕込まれていく、といった多少説教臭い側面もある作品。当初はベテランコンシュエルジュが主人公のように思えたのですが、考えてみたら、主人公は新人の女の子の方でした。最近の連載ではアメリカのホテルに派遣されて修行中。
「ギャラリーフェイク」
言わずとしれた細野不二彦のアート業界の表裏を題材にした連作短編週。これはストーリーものではないので、まあ、適当に。ギャラリーフェイクの主人公藤田は、現美もクラシックも日本画も骨董も何でもいけるスーパーキュレーター。これ貸してどういう反応が返るかちょっと楽しみ。
「岳」
山登りマンガで、山岳事故で死人も出てくるシリアスな作品ですが、個人的には好きな作品。この作品を好きになれる、なれないでその人の人となりが解るように思います。そういう意味では試金石として混ぜてます。
「海街Diary」
吉田秋生の新作連作短編。刊行スピードはゆっくりしていて、ようやく2巻が出ているところですが、家族の再生を扱ったこの作品もたぶん、読む人を選ぶところがあるでしょう。同じ吉田秋生でも「BANANA FISH」系統だと、先方には難しいかもしれん。
他に最近呼んでいるものといったらフィルムノワール的な「ブラックラグーン」なんてえものもありますが、それは落としました。「MOON LIGHT MILE」も同様。先方の趣味嗜好とは明らかにずれているようなので。さんざん読み返した「MASTERキートン」なんかは良さそうだけど、これは手元に残っていない。
とりあえず、上記作品貸して、どれの続きを読みたいと言うかで当人のパーソナリティはある程度見えてしまうような気がする。貸したマンガでプロファイリング。