■梅雨時で時間の空いた6月末、再び博多へ。2007年に横浜美術館のホール内をマスキングプラントで覆い尽くした浅井裕介の個展、「ショッピング」が天神IMSのアルティアムで開催されていたので、それをとっかかりとしていたというか。アジ美の企画展はまだ切り替わっていなかったので、正直経済的な面で、それだけで博多に行くのは気が進まなかったのだけど、また全然違うジャンルでマルツパーツの博多店舗があることを知ったのでだいぶその気に。
まずは福岡アジア美術館のある中洲川端リバレインへ。企画展は前回観ているので、今回はスルーして、無料のグループ展。'ART WAVE 2010 in 福岡'と'3つの様相展'。どちらも美術館としては貸しギャラリーとしての活動なのだと思う。'ART WAVE 2010'では多数作家(78名)の作品が展示されていた。ただ、自分がいいなと感じたのは2点ほど。
倉藤紀子の流れるようにキャンバスいっぱいに描かれた花が、明るく、エネルギーがあふれていて見飽きなかった。もう1点は高橋俊明の青い月のような抽象画作品。静謐で洗練された印象。
'3つの様相展'は3人展。3人のうち2人の作品には宗教的なモチーフが見て取れて興味深かったのですが、浅さも感じました。
この2つの展示はアジ美に来てみたらたまたまやっていたのですが、本命はホールに展示されている浅井裕介のマスキングプラントと大型の泥絵。横浜美術館の展示が念頭にあったので期待していたのですが、あれほどではありませんでした。本命は泥絵ですね。壁いっぱいに描かれた大型の作品。動物も描かれていて、たぶん狼ではないかと思うのですが、そのためかどことなく創世神話をモチーフとしているかのような印象を持ちました。本当のところは解りません。
アジ美を離れてリバレイン地下にあるアートリエへ。こちらに付属のギャラリーでは九州産業大学大学院芸術研究科の学生10名の作品による展覧会『手と眼のディスクール』が開催されていました(7/25まで)。井口奈美さんの絵が持つ繊細さと明るさが良かったかな。アートリエのカフェブースにも展示されていました。重い、暗い絵が嫌いとか悪いとか、そういうつもりは無いのですが、重たい絵は既視感がつきまといやすく、あまり印象に残らないのです。
アートリエでちょっと早めの昼食をとって、天神へ。浅井裕介の個展「ファッション」の拠点となる天神ISMのアルティリウムへ。続く。