■Ingressをはじめてみました。「陣取りゲーム」と聞いてはいたのですが今ひとつピンときません。2つの陣営どちらかに属し、それぞれの陣地の広さを競うとなってはいますが、ゲーム期間に終わりがなかったり、ゲームに使えるリソースが事実上無制限であったり、陣取りの制約がほぼ無い状態であったりしてゲーム性に乏しいゲームです。
基本は地球上の各地にある「ポータル」と呼ばれるポイントを占有状態にして、3点のポータルによって形成される三角の面積の広さを競うルールです。ポータルとポータルを結ぶラインは交差できないため、早い者勝ちのようですが、ポータルそのものを取り返すことができるため時間的な優位はありません。陣地そのものを直接防衛することはできず、相手にポータルを取られる前にポータルの占有度を回復させることができるだけです。敵陣深部にあるポータルも取得可能であるため、陣地拡張そのものの戦略的な意味もありません。したがって遅滞戦術が基本ということになります。
つまり防御側は遅滞戦術、攻勢側は飽和戦術となるため、陣地を守ることに意味がありません。取られたら取り返せばよく、その互いの陣地を食い合う比率で優勢が決まることになります。
実際のところ、個々のプレイヤーにとっては「堅牢な自陣」というのは実は自分自身のポイントを取得する機会が失われるのでメリットがないのです。陣地を取ったり取り返したりを繰り返すことでプレイヤーは自身のポイントを効率よく獲得できることになります。よくできている…のかもしれませんが、力押しと遅滞戦術の組み合わせというのは、ゲームとしては退屈です。先のポイント獲得のことを考えると、実際のところ遅滞戦術すらとる必要はなく、むしろ積極適に取らせてしまうほうが効率的です。
ゲームの進行状況は疑似リアルタイムで観ることができるのですが、その進展状況を眺めていると、基本的に相手のプレイヤーを根負けさせるくらいしか決め手はないようです。また、これはゲームというよりシステムの問題ですが、LTE回線だと端末とサーバーの通信間隔が数分に渡り、1つのアクションが完結するために十数分現地に足止めされることも珍しくありません。その一方でホットスポットだとレスポンスは良いのですが、パブリックのホットスポットは接続が不安定で、安心して使える感じでもありません。そうしたシステム上の不備がストレスになっています。
それにしても暖かい部屋で進行状況を眺めていると寒空の下夜中も歩き回っている様子がみえてちょっといたたまれなくなります。