■なんだか久しぶりの横須賀美術館。前回は国吉康雄展だったと思う。今回は夏休みもかかったこともあって子供向けの「たいけん、ぼうけん、びじゅつかん!」と常設。でも、目当てはビジュアルにひかれた常設展示「あめつちとの協奏」でした。
「たいけん、ぼうけん、びじゅつかん!」はメディアアートや大型の体験型作品が中心。さすがにどこかで見たことがあるような作品が多かった。印象的だったのは松井紫朗の黄色いラバーチューブを使った大型の体験型インスタレーション作品で、真白い美術館展示室から切り離されて位置間隔を喪失する感覚が面白かった。展示室の出口を作品の入り口につなげて、美術館の空間を異化してしまう。現実に空いた異空間への穴となっている。仕掛けが単純だということは頭では分かっているのだけど、感覚は楽しんでいる。
企画展のほうはそれはそれとして、常設に。目当ての「あめつちとの協奏」は所蔵作品展と並行して眞板雅文作品をまとめたもの。鉄を主な素材とした彫刻作品が中心で、幾何学的なモデリングが目につく。ただ、その造形は自然の草木の姿を模していることがわかる。そのコンセプトの萌芽は初期の写真作品「人工の線、自然の線」のアイディアの中に見て取ることができる。自然の中に見出される美しいフォルムを人工物に置き換え、幾何学的に整えられたフォルムへと収斂させていく。単なる自然の模写ではなく、自然が持つ美しいフォルムの中心的な構造を抜き出そうとしたように思えました。
横須賀美術館へはJR横須賀駅とバスを使って往復する格好で利用してきたのですが、今回はあえて横須賀中央駅前で下車して横須賀海軍カレーを探索。横須賀美術館に行くときは昼食に困るのですが、横須賀中央エリアでうまく賄えることをようやく学習しました。ちょっと通いやすくなった気がします。