■丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で「シッケテル」を観終ったあと、ニヤニヤしながら貰った「旅の美術館手帳」を読んでいたら、高松市美術館で「高松コンテンポラリーアート・アニュアルVol.01」が開催されていることを知った。もともと瀬戸芸を観に行くつもりで、高松には1泊する予定。目的は男木島、女木島、犬島。可能なら直島、と思っていて、犬島に行くには初日で男木島と女木島は見ておくつもり。ただ、船便の都合で丸亀から高松に移動しても1時間半ほど余裕がある。…ちょうどいい。
高松市美術館は高松の繁華街から少しだけ外れたところにある。表通りからは少し離れていて、街の景観にすっかり溶け込んでいました。
アニュアル展の出展作家は青木陵子、石田尚志、猪瀬直哉、カミイケタクヤ、山下香里。うち、青木陵子と石田尚志は東京で観ています。青木はマイクロポップ系。新作があったのかもしれませんが、マイクロポップ系は1点1点の印象が薄いので、その点は不明。紙の地の部分がとても広いので、遠目で白っぽく、白い壁に展示するのには向かないのではと思います。石田の描かれ続けるストリームライン作品はさすがに覚えている。猪瀬尚志は初めて観ましたが面白かった。古い日本画のスタイルでポップにしたてる作家群がありますが、手法はそれと似て、いわゆる洋画のスタイルになると思いますが、描かれるテーマは現代的でちょっと遊びの要素も入っている。少しお説教くさいのは若さなのかな。メッセージ性は明瞭なのですが、そのメッセージそのものについては浅い印象は拭えません。
カミイケタクヤは大型のインスタレーション。焼け落ちた駅舎か、あるいは廃墟。その静かな空間は居心地の良いものでした。山下香里のインスタレーションはのっぺりとした部屋に展示するにはガジェットそのものの存在感が薄く、どこか散漫。バックヤードを使った展示作品がたぶん本領なのだと思うのですが、バックヤードそのものに見えてしまうのが少し残念な感じはしました。たぶん、オルタナティブスペースのように、展示室そのものにテクスチャがある空間で生きる作品なのではないかなと思いました。
高松市美のロビーの片隅でちょっとしゃれたオブジェが並んでいて、近づいてみたら、これも瀬戸芸の関連作品(高松うみあかりプロジェクト)でした。