■6/21から6/30の間、赤レンガ倉庫で「横浜フランス月間2013ビデオアート展『彷徨~都市と砂漠の間で』」が開催されていました。都市と砂漠。「東京砂漠」なんて言葉もありましたが、どちらも緑が少ないところは似ているのかもしれない。
中東付近と思しき砂漠の景色、踊る警官とでも言うべきか、交通整理に素晴らしいパフォーマンスを見せる警官がいるのは北アフリカか。「Crossing」で女性が翻弄される都市景観は高層ビル群が並ぶ現代的なもので、そこにも潤いはない。ただ一つ例外なのは「Red Memory」で夜の香港をさまよう女性をフォローしつづける、言葉もキャプションも説明が一切ない作品なのだけど、その映像から伝わる湿度は馴染みがある。
都市景観にも地域性はちゃんとあるのだろう。
ちょっと残念なのは、プロジェクターの映像が粗いことで、例えばMihai Grecuの「Centipede sun」は会場では茫漠とした砂漠のように見えるのだけど、ストリーミングで観ると幻想的な世界があったことがわかる。スクリーンもなく、展示室の壁に投影される映像と、ディスプレイで観る映像とではテクスチャが違ってしまう。「横浜・赤レンガ倉庫」という土地のテクスチャと言えば聞こえはいいかもしれないけれど、初見の印象で流してしまいそう、というか幾つか見逃してしまっているかもしれない。
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