■Cmoyアンプというのはオペアンプを使った単純なアンプ。10年くらい前に割と流行っていて、回路が簡単だから部品点数も少なく、ということはコンパクトに作れるのでお菓子のブリキ缶に詰めることもできた。以前作ったこともあったけど、ケースに収めることはしなかった。ケース加工の技術がまだ無かったから。それでも商用ACから電源をとって差動アンプで音を鳴らすアンプは作ってケースに収めて今も使っている。あんまりアンプばかり作ってもしょうがないので、そこでひと段落ついた感じ。
今のなってまた手を出したのは、コンビニで手ごろなサイズの缶を見つけたので。
オペアンプはJRCのMUSES02を奢ってみました。良い音源がないのであまり音の違いはわからないと思うけど。電源部はTLE2426を使いブロック電池の9Vを2分した仮想グランドを作りました。オリジナルのCmoyだと、ここは抵抗2つで仮想グランドを作るのですが、安定しないのであっさりと。オペアンプの定数はゲート抵抗2K、帰還抵抗3K、帰還接地抵抗1Kでゲインは3倍と小さめ。昔作った時に定数を参考図そのままに使ってあまりのボリュームの大きさに驚いてゲインを絞ったのでした。
電源部は470uFと47uFの合成で、片電源(+4.5V, -4.5V)あたり約500uFのキャパシタ付。オーディオ入出力にデカップリングコンデンサは付けていません。増幅部はオペアンプの非反転増幅回路そのまま。オペアンプは昔買ったものが幾つかあるのでとっかえひっかえして音色の変わり具合を楽しんでみる、ということもできなくはないのですが、音源に適当なものがないのでちょっとめんどう。以前あれこれ作った時は差動増幅回路にしたときにオーディオ帯域全域にわたってノイズフロアが下がったことは確認しているのですが、今回はCMoyなのでそんな期待はできないでしょう。あくまでも簡易なアンプ装置です。
できあがりは写真のような具合。ボリュームのつまみが大きすぎてちょっとアンバランス。面白いといえば面白いのですが。本当ならオーディオジャックは蓋ではなく側面に付けたかったのですが、蓋を閉じた時に干渉するのでできませんでした。基板に下駄を履かして裏側の配線部が缶の内側に接触して短絡しないようにしていますが、いっそ絶縁フィルムを張った方が良いかもしれません。後は、缶と仮想グランドをつなげてシールドしたほうがいいかな、とか思っています。