■再び瀬戸内国際芸術祭へ。前回は豊島のみだったけど、今回は残りの島へ。犬島の精錬所プロジェクトは見てみたいし、男木島の大岩オスカールは気になるし、女木島の福武ハウスに集まった各メジャーギャラリーの作品も観てみたい。
でもその前に、せっかくだから周辺も押さえておきたい。丸亀市猪熊弦一郎美術館とか。
男木島、女木島へのアクセスは高松からでないと時間ばかりかかるので、高松を基点にすることになるけど、高松に渡るなら、ちょっと寄り道して丸亀市猪熊弦一郎現代美術館に行ってみようと。
岡山から瀬戸大橋線に乗って四国に渡る。丸亀は高松とは反対方向。おもしろいのはこの美術館は駅前にあること。ものすごく便利。建物のデザインはモダンなものなのだけど、周辺からは全く浮いている。
シッケテルはアーティストユニット・キュピキュピと石橋義正のグループ展ということになるのかな。「シッケテル」は「湿気てる」会場に入る暗く狭く長い通路を歩くと今回の作品のひとつ「シッケモニカ」のねちっこいモノローグが聞こえる。
会場は大きな箱で、その中央に展示されている大型ステージでは喜怒哀楽を表す歪んだ女性の顔。その先にある作品「シッケモニカ」は本当に湿度の高そうなショウケースの中で人形が何かねちっこく喋ってる。
映像作品「BLACK RINA」(悪い女リナ)は攻撃性だけは強い虚勢を張る女、リナの一人芝居が続く。だいぶうっとおしい。
「シッケテル」というのはそうした、ちょっといけてない感じと、そこに纏わり着く重い感情をテーマにしているのだと思う。古い日活映画みたいな。その表層をきらきら、ぴかぴかにデコレーションしているけど中身は何も変わっていない、そんな実体を見透かしているような感じがします。
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