■川村記念美術館で始まった企画展。始まっていたことは知っていたのだけど、少し遅れて千葉市美術館で赤瀬川源平の回顧展が始まることを知ったので、そちらの開始と併せていくことにしました。五木田智央はモノクロの抽象画を制作しています。抽象化された人物像はピカソを思わせたり、フランシス・ベーコンを思わせたりするもするのですが、モノトーンのグラデーションに彩られていることと、多くは顔が隠されていることが特徴のように感じます。表情を描いて人物の内面を伝えるのではなく、人物の内面を抽象化して描いているように見えます。顔を隠された人物像からは個人の特徴は失われ、ずっと汎的な人物象として観るものの前に表れているようです。
常設の方は少し展示が変わっていました。白い部屋に赤一色の「ニューマンの部屋」が無くなって、彫刻展示に変わっていたり、ジョセフ・コーネルの箱の展示も並びが変わっていました。あちこちの美術館の常設を何度もまわっているうちにようやく見方が解ってきたのか、常設の最初の部屋が印象派の有名どころをそろえた「つかみ」として錚々たる作品が並んでいるということもようやく解りました。レンブラントは展示から外れていました。
川村記念美術館に初めて訪れた頃は常設の方は古臭くて退屈だなと感じていたのですが、今はそうした印象はなく、ロスコ・ルームも楽しんでいますし、いつの間にかそれなりの見方というものが見についてきていたようです。
付属のレストランで昼食をとったあと、千葉市美との連絡バスに乗り、千葉市美術館へ移動しました。
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