■パブリックスペースに侵食していく浅井裕介の作品を追いかけて、中洲川端から天神へ。天神IMSにある三菱地所アルティアムと、IMSからほど近い場所にあると思われる「紺屋2023」が目的。天神IMSは2回目なので迷うことはないけれど、紺屋2023ははじめて。地図で確認してみても、ずいぶん入り組んだところにある雰囲気が濃厚で、迷いそうな雰囲気いっぱい。一応地図を頭に入れて、住所情報もケータイに入れておいた。
天神IMSは複合商業施設で、小売店舗から医療事業者やカルチャースクール的なものも入っているワンストップな施設。エレベーターで8Fまで上がろうと思ったら人でいっぱいだったので、エスカレーターでのんびりと上がる。途中、IMSのパブリックスペースにマスキングプラントを発見。ちょっと遠慮がちで、施設の景色に溶け込んでいて、「作品」というより、ちょっと気の利いたデコレーションのようにも見える。
アルティアムで開催されている「ショッピング」はIMSに入っているテナントのショッピングバッグやロゴを使ってコラージュやショッピングバッグをデコレートしている。それらの作品はカラフルで明るく、楽しげで、商業施設という場所柄と良くマッチしていた。ただ、暗幕で仕切られた奥のブースにはマスキング作品が別途展示されていて、そちらの作品はモノクロの落ち着いたトーン。モノクロなのは、制作に使うマジックに制限されているのかもしれないですが。
「ショッピング」側のブースのカラフルな作品は各ショップで使われている包装材を再構成して制作されている。アートだってマーケットに乗っている点で商業活動の一部なのだけど、「効率的な」商活動には乗らないため、どことなく対立軸に捉えられることもあるけれど、1点モノの完全受注生産として見たら、別におかしな経済活動ではない。たぶん、対立軸を置くとしたら、「大量生産システム」との間だろう。
天神IMSのあちこちにマスキングプラントは忍び込んでいて、全部を探し出せたのかは解らないけど、だいぶあちこちに「生えていました」
天神IMSを出て紺屋2023へ。頭の中に地図はあったけど、土地勘がない。雑居ビルが密集する一帯で、見通しが悪く、特徴的なランドスケープも見通せない。とりあえず県道602を背にするように先へ先へと歩いていくと、「私立大名小学校」という大層な名前の学校に出くわして、確実に道を間違えていることを知る。住所は押さえているけれど、住所表示がなかなか見当たらず、あきらめて引き返すかどうか迷うが、30分ほど迷って紺屋2023に到着。非常にわかりづらいし、なんか入りにくい。
この施設での作品はエントリーの通路にペイントされた作品。しゃれた模様のような馴染み具合で、この建物が作られた当時からあったかのような雰囲気。紺屋2023は古い集合住宅を改装した施設で、コンパートメントごとにスタジオになっていたり、ギャラリーのようになっていたり、しているらしい。もともとが集合住宅ということでプライバシー優先となっている作りが、ここでは不利に働いているような気がしました。外部からの来訪者にずいぶんよそよそしい雰囲気があるし、それと各コンパートメントで何が行われているのか見通しがつかない。
でもアルティアムの企画がここまで根を伸ばしているようで、面白そうな地域だと思いました。買い物にも困らないし。こうなると、中洲川端がちょっと遠い気がします。
アート巡りが終ってから、地下鉄で千代県庁前駅へ。ここの5番出口から徒歩0分の場所にマルツパーツの博多千代店があります。D級アンプを作る計画があって、その関連部材を購入しに。通販でもいいんですが、実店舗ならではで、12V4A越え(50W)のACアダプタが格安で放出されていたので。少なくともそれを調達したかった。
ただ、店に入ってしまうと久しぶりの電子パーツ屋さんということで舞い上がってしまい、RCAジャックや2連ボリュームやつまみといった諸々を買い込んでしまう。ちょっと意外だったのは他のお客さんの中に年配の女性がいらして、パーツを吟味しながら買い物をされている姿があったことでした。
あんまり飲んだり食べたりすることに執着が無くて、どちらかと言えば「ショッピング」に偏っている自分には今回の博多行はだいぶ欲張ったような感じでした。だんだんと自分なりの博多の町の使い方が解ってきたような気がします。