■久しぶりの東京オペラシティーアートギャラリー。に、行ったのは先月のこと。企画展はテキスタイルで、その素材の可能性に驚いたものの面白かったのはそちらよりもプロジェクトN。その時は阿部未奈子展。ビビットな配色は心地よく、イラストレーションのようでもあるけど、特徴的なのはそこの描かれる〈景色〉は流れ、確定的な景色を見ている実感は得られない。その景色は思い出の中から現れたようでもあり、曖昧とした記憶の中へ消えていくようでもある。
描かれる景色は日本や欧州の里山のような場所。明るく乾いた景色は見覚えがあるような、懐かしい風景だが、場所を特定することはできない。その曖昧な記憶の感覚が溶けて流れるように描かれる手法と合致している。
実際に目の当りにした景色と、引き合いに出されて比較される記憶の中の景色。その記憶の中にある景色を外部に引きずり出されたような感覚でした。
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