■いちはらアートxミックスを二日かけて回ったのだけど、それはそれで作品鑑賞するのと同じくらいに面白い体験だった。主要な会場は小湊鐵道駅周辺と、駅から離れた旧小学校とに分散している。分散会場といっても瀬戸内国際芸術祭に比べればエリアは小さいけれど、瀬戸内と違って一つの会場ごとの規模はさほど大きくはないので、まんべんなく見ておかないと見落とすものが多そうだった。会場は小湊鐵道経由で回れるものと、バス経由で回れるものとに分かれていて、初日は小湊鐵道経由だった。これは周遊バスの時刻表が公式HPに出ていなかったので(今は出ている)計画の立てようがなかったということもある。
初日はお昼にJR内房線の五井駅に到着して昼食。そしてまず向かったのが上総大久保駅。駅から徒歩数分のところにある旧白鳥小学校で吉田夏奈さんの作品が展示されていたので。そしてとって返して月崎駅。ここで藤本壮介の「Toilet in Nature」を観て事前にトイレにいっていたことを後悔したのでした。ただ、ここでは作品点数が少ないのですぐに観終わってしまうものの、電車待ちの時間が長い。周遊バスの連絡もよくわからなかったので、徒歩で飯給駅に移動し、長谷川仁の「Blue Sheet」を観た後、電車に乗って五井へ戻りました。
帰りの五井駅で周遊バスの時刻表を発見しました。イベント運営にまだ慣れていないところがあるようで、五井でフリーパスを買うときに一緒に渡してくれれば良いのにと思ったのですが、たぶん今は改善されていることでしょう。
五井のホテルで時刻表を片手に立てたプランは次のようなものでした。
・上総牛久駅→内田→市原鶴舞バスターミナル→市原湖畔美術館→旧里見小学校
問題は内田会場の位置で、市原鶴舞バスターミナルと上総牛久の間にあります。次に観たい会場は市原湖畔美術館で、直通コースは内田会場からは北部ルート(左回り)で約1時間になります。しかし、鶴舞バスターミナルで「北部ルート(右回り)」→「北部ロート(右回り)」で乗り換えると約50分になります。鶴舞での待ち時間は時刻表上で25分となりますが、それは仕方ないでしょう。鶴舞で折り返し運転をせずに、循環させれば良いと思うのですが。ただ、この右回り、左回りの時間差の問題はバス運転手側にも認識されていたようで、乗り合わせたバスでは気を利かせてもらって内田から鶴舞へはちょっととばし気味でした。その甲斐あって鶴舞で待たされずに乗り換えに成功し、市原湖畔美術館へは予定より30分早く到着しました。
市原湖畔美術館から旧里見小学校へ移動し、そこでお昼に。
予定より30分早く移動できたことでプランに余裕ができて、最初は観るのを断念していた旧月出小学校会場へ行くことにしました。旧富山小学校駐車場バス停で月出ルートに乗り換えます。
・旧里見小学校→旧富山小学校駐車場→旧月出小学校
もともとあきらめていた月出会場を観てしまうと、残る養老渓谷も観てみたくなるもので、周遊バスと小湊鐵道の時刻表を改めて突き合わせてみるとうまくはまりました。里見駅での周遊バスから小湊線への乗り換えが奇跡的に数分の時間差しかないのはたぶん珍しいケースだったと思います。
・旧月出小学校→旧富山小学校駐車場→里見駅→養老渓谷駅
あらためて思うのは、周遊バスと小湊鐵道の連会があまりうまくいっていないことです。バス移動を中心に考えられていて、電車はついでのように扱われているように思います。ただ、バスの輸送力と列車の郵送力とは比較にならないし、時刻通りの運行という点で言えば列車に大きなアドバンテージがあります。運営側はもう少し鉄道輸送に注意を払ったほうが良いようにも思いました。