■年明けて最初に回ったギャラリーは新橋の資生堂と京橋のリクシル。いつものルートで。資生堂は若手プロモートのアートエッグ。今月は久門剛史。「あれこれそれどれ」は日常空間を組み上げる要素を撮り出して、再構成する。ノスタルジーをとっかかりにして見せる題材の選び方は手堅いけれどちょと面白味には欠けるようにも感じた。
リクシルギャラリーでは「神谷麻穂 展 -陶 いろはにほふ-」と「鈴木基真 展 -Cinematic Orchestra-」。「いろはにほう」は珊瑚礁のような造形に桜色や金色が散りばめられた新春らしい作品。造形は珊瑚礁のようだけど色合いからは桜吹雪が流れていく様のようにも見える。
「Cinematic Orchestra」は木のブロックを彫り込んでアメリカの郊外や山間の景色を作り出す。ノミ跡が粗く、それが油描のような印象を与える。作品は大きなテーブルの上に並べて展示され、観客の目の高さにオブジェが並び、そこにアメリカンロードムービーに出てくるような光景が再現される。よく見ると塀につっこんだ車とか、リトルグレイが描かれた看板とかあってユーモラスな要素も漂ってくる。今月のリクシルギャラリーは新春らしい展示という感じ。
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