■梅雨の合間をぬって横浜へ。港の見える丘公園の向いにある岩崎ミュージアムへ。ここに来るのは本当に数年ぶりで、以前に来た時はガレのガラス器が目当てでした。今回は藤原京子展 Gate -門-が目当てです。こないだ象の鼻テラスへ行ったときに見つけたフライヤービジュアルが魅力的に思えたので、会期が始まるのを待って行きました。
岩崎ミュージアムはHPによると、もともと「ゲーテ座」という劇場があった場所で、その跡地に岩崎学園が建てた服飾関係資料・収集品の展示博物館としてはじまった、とあって、けっきょくゲーテ座とは関係ないのかな。
服飾資料は今も展示されていますが、常設スペースで多いのはガレやアールヌーボーのコレクションでしょう。ただ、1Fが劇場になっているため、建物の大きさから期待するほどの展示スペースがなく、例えば箱根のポーラ美術館のガラス器コーナーなどと比べてしまうとだいぶ寂しい感じがします。
比較的広いギャラリーもありますが、全体としてはコンパクトな感じです。
そのギャラリーの展示ですが、ギャラリースペースがどことなく舞台を思わせる作りをしていて、その中に設置されたインスタレーションはどこか舞台背景のようになってしまっているようでした。最初に目にしたフライヤーのビジュアルから期待していた雰囲気とは違ってしまっていたのはちょっと残念でした。会場に対して作品が大きすぎるような印象もありましたし、照明が暗すぎる感もありました。ただ、照明についてはトラブルがあったようです。
会場に置いてあったフライヤーでは過去の作品もあって、その写真だとまた印象が違うのですが、ちょっと残念でした。
岩崎ミュージアムを出て、次は赤レンガ倉庫へ。赤レンガ倉庫のギャラリーでは横浜フランス月間ということでビデオアート作品が上映されていました。去年も観たかな。
今年の「きみはそこにいる?」展で上映される作品は16本。字幕はないか、あっても英語で、理解しながら観るのは正直きつい。ヘッドホンで音声を聴くことができるように配慮されてはいるけど、聴きとれてもフランス語だったりで、そこは配慮してほしかったと思う。
面白かったのはジェンチェン・リーの「アンダー・コンストラクション」という作品で、ワード数の多い英語字幕を必至に読んでいると、どうやら都市再開発のあおりで家から追い出された人々を追っているらしい、ということが解る。面白いのはその表現方法で、CGで構成された廃墟の中をカメラが移動し、ポイントポイントでその中の住人のインタビューを挟み込む構成を取っていて、その動きに引き込まれてついつい見入ってしまう。ただ、せめて日本語字幕はなんとかしてほしかったなあと正直思いました。