■市原湖畔美術館は小湊鉄道高滝駅から徒歩20分。もともとは「市原市水と彫刻の丘」という施設だったものをリノベーションして美術館に仕立て直したもので、2014年春期に計画されている「いちはらアートxミックス」の中核施設となることも見込まれているらしい。
アクセスは内房線五井駅から小湊鉄道に乗り換えて高滝駅から徒歩20分。駅前に案内がないので戸惑ったのですが、高滝湖への案内はあったのでそれはどうにか。
企画展は「磯辺行久-環境・イメージ・表現-」でその中には「ダイマキシオンマップ」の大きなインスタレーションがある。世界規模での海流を平面にマッピングし、ポンプを使ってパイプの中に液体を流す。「環境資源」という思想があり、それに基づいた作品なのだけど、その展示が人工湖の隣で行われているという立地の妙も面白い。
美術館そのものは決して大きなものではない。地上1階、地下1階にそれぞれ展示スペースを持っていて、それぞれゆるく連結している。ホワイトボックスのような箱が並んでいるわけではなくて、すこしいびつな形の部屋がまとまって一つの大きな展示スペースを作っている。小さい施設なのだけど狭さを感じないのはそれが理由なのだろう。でも、小さいことは小さい。
ちょっと残念だったのは、常設作品と企画展示の順路がきれいに分かれてしまっていることと、常設作品の設置場所がわからないことで、例えば屋上のヴィト・アコンチの作品や、B1にあるクワクボリョウタの作品はあえて美術館内を隈なくまわってみないと見つけられない。ただ、そうした順路設定もだんだんと改善されていくことでしょう。
美術館に隣接しているピッザリアボッソはピザ屋さん。行った日は残暑厳しい日で、とてもピザを食べる気にはなれなかったのですが、涼しくなるといいかもしれない。小湊鉄道の上下線の組み合わせでは2~3時間の行程ができるのでのんびりと滞在することができます(せざるを得ない)。