■地元地域で行われる小規模なアートイベント、というのは久しぶり。山口にいたときは広島アートプロジェクトなどを観に行きましたが、関東圏ではそうしたものには移動スケジュールの関係もあって全く観に行けなかった。あまり本気で調べてなかったこともあったけど。
美術館の企画展ならそれぞれのHPを観ればいいのだけど、地域イベントについては情報を探しにくい。今回の「横浜の森美術館4」は神奈川近美の図書館ロビーにストックされていたフライヤーから。
会場は「創造と森の声」となっていて、横浜ズーラシアの敷地に接している緑地となっているけど、アクセスルートがよく解らない。とりあえずズーラシアにたどり着き、あとは敷地の周囲をなぞるように周辺をぐるぐるぐるぐる。解りやすいランドマークが少なく、道も入り組んでいて時間がかかったがどうにかたどり着いた。殆ど偶然に近い。二度と行けないような気がする。
スクーターで16号側から向かったのだけど、横浜線の中山駅側から向かった方がいいのかもしれない。ただ、それでも徒歩30分とか、ちょっとそのルート設定はいかがなものか。
会場となった「創造と森の声」は管理されてはいるけれど、公園というよりは資源林的な状態で、自分が住んでいるすぐ近所にある雑木林と大差ない。前日に降水があり、曇っていたこともあって、林の中は暗く湿気ていました。先日行った「箱根彫刻の森美術館」とは違うだろうとは思ったものの昨年行った「六甲ミーツアート」の植物園を舞台にした展示程度のレベルかと思っていたのですが、会場の状況はずっと自然に近く、作品展示にはかなり厳しいように思いました。何しろ、中途半端な作品だと、背景に埋没してしまって作品がどこにあるのかわからない。
鎌倉周辺の里山を歩き回った時期があったのですが、里山の中には割と人の手によるものが多くあり、小ぶりなものだとそうした既にある人工物との区別がつきません。また「林の中の展示」という状況からか、自然木を使った作品が多く、そうなるとますます背景に埋没してしまいます。埋没する、というより作品としての存在感が出ない。作品として自然木の形態を利用した造形がメッセージとしての意味を持つのは、実は森の外であって、森の中ではそうした造形物はありふれていてメッセージ性を持たない。
あの会場で強い存在感を出すとしたら、もともと森の中に無いものを持ってくるのが良いのだろうと思う。ただ、それもあの広い森の中で存在感を出すのだとしたら、かなり大きなものが必要だろうと思う。それだけ横浜郊外にある里山ですら、そのコンテンツは豊かで強力だということなのだろう。そのことは再認識したように思う。
だから、もしかしたら作品展としてはあまり評価できないかもしれないが、あの場所を会場に選んだ目的は果たされているのかもしれない。