■昨年暮れからBankart NYKで始まった、各美術系(だけじゃないけど)大学の卒展リレーが始まった。山口と往復している都合上、その全てを見ることはできないのだけど、スケジュールが合えば、極力観るようにしている。東京藝術大学先端芸術表現科の卒展「藝大先端2011」はタイミングが合って観ることができた。会期初日。調整中で観ることの叶わなかった作品が幾つかあったのは残念。
歯医者に行ったり、ズーマーのタイヤを交換したりした後、馬車道へ。曇天で寒い日でしたが、Bankart NYKの中はそれほどでもなかった。以前は結構冷えていたのですが、暖房装置が入ったのかな。「先端芸術表現科」ということですが、展示作品はインスタレーション、写真、映像、パフォーマンス、服飾など。
荒削りというか、あともうちょっと丁寧に仕上げてあったらなあと感じた作品もいくつかありましたけど、それも卒展というちょっと学祭のような場所ではそれはそれで良いのかもしれません。
印象に残ったのは1Fの内海昭子さんの'Placing Time'(だったような)は静かな空気を湛えたインスタレーション。西村伊央さんの'aureola'(だったような)はビデオインスタレーションのように見えたのですが、実際は写真パネルを組み合わされて作られた合成された光の景色。2Fの松田雄一郎さんの'Dynamic Matelials'は雪、岩、森といった山の諸要素を組写真とした作品で、あと「渓谷」でなくても沢の流れがあると良かったかなあ。松田唯さんの'Building Wear'(だったかな)はなにかの建物のような柄を軽やかなワンピースに仕立てた作品で、硬さと軽さが同居していて面白かった。服が建物と身体のマッピング装置になっているわけですが、そこに何か強い意味が乗るともっと良かったかもしれない。自分が読めてないだけかもしれませんが。
あとちょっと、あとひとつ工夫があると良かったのになあと思ったのは今井明日香さんの'reverberations'で、合わせ鏡の空間で青色LEDで光る半球体が往復を続ける作品なのですが、草間彌生の似たような作品をすでに観ていたことや、移動する半球体のモーター音がけっこううるさかったり、あと鏡の間の中を見せるために、壁を開いていることがちょっと雑な仕上がりという印象を受けて残念な感じでした。キレイな作品だったのですけど。