■名古屋のある濃尾平野あたりについて、昔小学校だか中学校だかの教科書で「輪中」とかいう単語を習ったような覚えがかすかにある。なんとなく海抜ゼロメートル地帯のことか、と微妙な勘違いをしていたような気もするけれど、ともかく、洪水は多い土地だという認識はあった。あったところで昨今流行のゲリラ豪雨があった日に鉄道はほぼ止まるは陸路もあちこち寸断されるは、翌日はほぼ復旧するのですが、まあ、大雨が降るとすごいことになるのだなあと。自分の本拠地である戸塚あたりは平野部ではないので、街区がまるごと水没するということはまず起こらない。
何にしてもロクなことにならないことはよく解ったので、大雨の週末はおとなしく屋内にこもることにした。いい機会だから、先日からほったらかしにしてあったスイッチonネットワークを仕上げることにしよう。
仕上げるっても大した回路を組むわけではないんですが、自分にとってはアナログ回路基礎のお勉強のような感じです。
先回はフォトカプラを使って導通させることを考えて実験したのですが、これは駄目でした。Interface9月号付録のTTL出力でフォトカプラをOn/Offさせる目論見でしたが、TTL出力を0Vに落としてもカプラの出力側というか、スレーブ側の導通を完全に落とすことはできず、スイッチを切ることができない状態になりました。
以前PS2を改造したときはなんとかなったんだけど、付録デバイスの仕様もよくわからないので今回はフォトカプラに拘るのはやめました。じゃあ、リレーを使うか。
ただ、リレーに使う電圧って結構大きいのではなかったっけ、と調べれば普通にあるもので、マルツパーツ経由でオムロンのG5V-1を使うことに。リレーの定格表の読み方が良く解らないのが悲しいところで、型名1つに定格が6つあるように読めるし、そもそも動作電圧が定格の80%以下で復帰電圧が10%以上って、じゃあ10%~80%の範囲はチャタッているということなんだろうか、とか、なんか良く解らない。とりあえず、3Vと0Vの世界でパタパタやればいいのだろう。あと50mA。
最初はこのマイクロリレーを直接付録デバイスからドライブしようとしたのだけど、これはさすがに安直だったらしく駄目でした。直接駆動すると、リレーの両端電圧が1.1Vしかでない。リレーの抵抗は60Ωなので、デバイスでは20mA程度も処理できていないことになる。ロジックICの定格とか思えば、まあ、そういうものか。
そういうわけで、直接駆動するような無茶はやめて、素直にFETを使うことにする。50mA程度を扱えるとなると、パワーMOSFETということになるのかな。ゲート電圧が3V以下で、比較的オン抵抗が低いものということで東芝セミコンダクターの2SK2493を選びました。このMOSFETはN-Chなので、ローサイドスイッチとして使います。
今ひとつ自信が持てなかったのでLTspiceでシミュレーション。
V1はパルス電源で、これがTTL出力の代わり。V2は3VのDC電源。D1はリレーをオフする時に発生する起電力からFETを保護するためのダイオードなのですが、そもそもリレーのインダクタンスがわからないし、低電圧の世界だし、ということで実装はしませんでした。LTspiceでL1を流れる電流が0mA~50mAで振れることを確認して、実装へ。
いつもの小さいユニバーサル基盤でブレッドボード接続用のドーターカードを作って動作確認。さすがにリレーは単純なスイッチなので、オン時の電圧のフレとかそんな心配がいらないのが良いです。だいぶ小スペースに収められることも解り、この基盤だと2スイッチ分は乗せられそうです。だから、ATXのメインスイッチとリセットは扱えそう。
とりあえず、今度横浜に戻ったら実際にPCに組み付けて動作確認をするつもりでいます。