■今回のGPSロケータ(ロガー)を3.3Vで統一して作ると決めたときに、途方に暮れたのは5V駆動のLCDをどう扱おうかということだった。ピン数が多いので、レベルシフトの配線もそれなりになるし、そもそも3.3V給電から5Vに昇圧する回路が必要になる。今回は1.5V程度の電圧を昇圧して3.3Vにするつもりだったから、それをさらに5Vに上げるというのはちょっとアレな気がした。
結局はLCD駆動に必要なのは5Vの電位差なのだ、というコペルニクス的転回というか、データシートを良く読め的な実験記事を見つけて、安直に専用ICを使ってマイナス電位を作り、表示に必要な電位差を作ることができたのだけど、その時コッククロフト・ウォルトン回路というものを知りました。電位が振幅する入力(交流波形とか、矩形波とか)を利用して倍圧を作り出すのだけど、それじゃあ、矩形波を作れば昇圧用の専用ICを購入しなくても良くなるわけだ。
じゃあ、矩形波はどう作るの? というわけで、ひとつはマイコン自身で生成させるのが1つで、これは昔、赤外線リモコンの搬送波を作るときにPIC12Fを利用したのと同じです。
もうひとつは矩形波を生成する回路を作るやり方で、幾つかありますが、その中に確か、マルチバイブレータとか言われていたものがあったような。
調べてみたらロジックICを使ってマルチバイブレータを作れるとのこと。面白そうなので、これで組んでみました。これを使って1K~40Kくらいの周波数が作れるといいな。調整は大変そうだけど。
使ったのは74LS04。インバータを6組持っているので、マルチバイブレータを3セット作ることができますが、2セット作ってみました。まあ、ブレッドボードではこれ以上部品を詰め込むのは難しいですし。
回路右側の定数はコンデンサが22uF,抵抗が3.3Kで、周波数は4.5Hz。左側は0.1uFと3.3Kで周波数は738Hz。どちらも理論値ではなく、このブレッドボード回路での実測値です。4.5Hzは目で見てもチカチカと解りますが、738Hz側はもう明滅はわからず、灯きっぱなしにしか見えません。
738Hz側のLEDへの入力を引っ張ってローパスフィルタ経由でスピーカに通したら「ラ」音になるのかしらん。
それはそれとして、マルチバイブレータ回路はなるほど簡単に体験できたので、次はこれを使ってコッククロフト・ウォルトン回路を作ってみようと思います。