■山口県と広島県の県境付近に岩国という古い町があり、そこには錦帯橋があります。木造のアーチ橋で有名。せっかく近くにまで来ているのだからと行って来ました。まあ、錦帯橋だけが目当てではなかったりもするんですが。

岩国へは新幹線の新岩国駅が割と近いらしいのですが、地道に在来線で。徳山駅で岩徳線に乗り換えて西川駅で下車。この電車が黄色の1両編成で緑濃い夏の里山の間を走るわけです。西川駅は無人駅で、民家は近くの街道沿いにちらほらと。この駅は錦帯橋からだいたい1キロ強といったところ。
地方も地方というか、おそらく岩国駅を中心とした地域経済圏の縁の外みたいなところのようで、町並みは枯れた趣。それでも錦川にかかる橋を渡れば、錦帯橋を観光資源とした観光地然とした町並み。
渡ったのは錦帯橋の下流にかかる橋で、橋上から見える川がずいぶんきれいだったので、街には入らず河原へ降りました。

河原に降りたのは川がずいぶん冷たそうだったということと、えらく暑かったからです。川の水に足を浸すなんてずいぶんと久しぶり。

涼も取れたので、河原を歩いてそのまま錦帯橋へ。史跡に指定されている珍しい木造連続アーチ橋、とはいえ、橋は橋。そのアーチが美しいことに異論はないのですが、強い日差しもあってじっくりとその構造を愛でるまでには至らず。いえ、正直言ってそこまでの境地には至っていないのですが。ただ、実際に渡ってみてそのアップダウンの大きいことが体感できました。
数年前に地元の若者が酔っ払って軽トラで橋を渡ろうとしたらしいのだけど、無理じゃないかな。

錦帯橋を渡りきると、そこは公園のようになっていて、観光客目当てのお店も並んでいたりします。ソフトクリーム屋とか。
ここに武蔵と小次郎というソフトクリーム屋があるそうで、今回目当てだったのは武蔵の方。「カレー味のソフトクリーム」というのがあるそうな。
メニューで「カレー」を確認して、薄ら笑いを浮かべながら注文すると、店員もにやりと笑ってオーダーを繰り返すのがなんともいえず。
カレー味のソフトクリームは、クリームにカレー粉を混ぜたもので、カレーペーストをそのままクリームとしたものではありません。クリームそのものはバニラベースの甘いものなので、だいぶ違うものが組み合わさった感じ。ただペッパー類は使われていないようで、辛くはありません。
これがカレー粉がふんだんに使われて眼にも鮮やかなターメリック色のクリームになっていたら、その味わいはさぞや、と思うのですが、そこは抑制がそれなりに効いてそれなりにマイルドです。じゃあまた頼むかというと……今度は「お茶漬け味」を試してみようかな。
公園周辺には幾つか施設がありますが、その中に岩国美術館という私設美術館があります。扱っているのは武具、焼き物、漆器、つまり古美術です。萩焼のコレクションは面白かったかな。ちょっと趣味が違うので観方というものが今ひとつ解らなかったのですが。