■.hackのゲームは最初のものから遊んでいてだいぶ懐かしい。なんだかんだと息の長いシリーズだけど、さすがにカプコンのバイオハザードには規模的には届かないものの、小説・コミック・アニメと展開してとうとう劇場アニメ作品まで出した。個人的にはPSPについては購入しなかったものの、PS3のゲームと同梱されている「ドットハック セカイの向こうに」を購入しました。ファンディスクを買うような感覚。
「ドットハック セカイの向こうに」は良くあると言えば良くある「ソーシャル系」のシナリオ。MMORPGの閉じた世界が危機を迎え、それをゲーム参加者達の協力を得て解決する。.hack//VERSUSは映画の背景にあるゲームの対戦部分のみを抜き出した、一種のミニゲーム。簡単なシナリオもあって、そちらはクリアすると「ドットハック セカイの向こうに」の後日譚というか、次作品へのブリッジというか、なんとも煮え切らないムービーを観ることができる。
MMORPGを舞台にする作品が根源的に抱え込む問題として、ゲーム運営会社という現実社会にあるインフラを抜きに語ることができない点で、.hackシリーズではサイバーコネクト社が繰り返し「悪者」として登場する。そんなに素性の悪い会社が社会的信用を維持しつづけることは難しかろうと思うのだけど、それが続いてしまう。物語はいつか終わらせなければならなくなるのだけど、ゲームを売り続けるために物語が終わらせられることはない、というのはMMORPGを題材にしていない「バイオハザード」も同様。
ただ、あまり引き伸ばしが続くと、だんだんどうでも良くなってくるのも確かで、物語そのものが陳腐化していってしまう。ゲームクリア後に見れるムービーがひっくり返されることがないなら、物語は次に出るなんらかの作品で終結することになるのかなと、そういう予感を持たされる。