■統合赤外線リモコンを作ったのはいいけれど、普段良く使うテレビやオーディオのリモコンは電源のオン・オフは反転トリガとなっていて、同じ信号をオン・オフに使っている。電源がオンであればオフにするし、オフであればオンにする。人間が手に持って操作する分にはだいたい問題ないわけだけど、機械で操作する場合、操作対象のステータスがよく解らない。オンにしたいつもりが、実はすでにオンになっていて、逆にオフにしてしまうかもしれない。だから、操作対象の家電の状態を把握する手段が必要だった。
実際に電源がオンになっているかどうかを把握したければ、消費電力の状態をモニタすればいい。電流を電圧に変換する電流センサがあるので、それを電灯線に挿入すればいい。テレビを対象にしてオシロスコープでセンサの出力を確認してみると、だいたい20Vほどの出力が50Hzで出ていた。その波形もあまりキレイなものではなく、100Hzの波形が重量されているようだった。交流の電流をモニタしているから、電流がいったりきたりしてそうした波形になるわけで、理屈はわかるけどこのままでは使いにくい。AD変換でモニタするタイミングで大きく振幅していては何を測定しているのかわからないし、だいたい、プロセサの動作電圧3.3Vに対して20Vは大きすぎる。
20Vなのは開放電圧だからであって、ここに1.5KΩほど負荷を与えるとだいたい1V程度の振幅に。ただ、プラスマイナスに振れているのは相変わらず。そこで、ブリッジダイオードを通して全波整流し、平滑コンデンサを加えて、リプルはあるものの、ほぼDC電圧として読めるようにした。
交流電流計の読みは0.4Aで、センサ+整流回路の出力はだいたい0.6V。電源投入時には突入電流も観測できて、電源投入直後のアイドリング時と、その後の画面表示期間で流れる電流が増えることも観測できた。
気になっていたのは待機電力なのだけど、小数点以下2桁程度の精度では計測できなかった。電流センサの限界以下ということかもしれない。
このセンサ+整流回路を4組造り、こないだ作ったリモート制御電源タップの外付け回路として利用できるようにした。ATmegaのAD変換用入力はADC0~6が丸々余っている状態なので、4チャンネル使ってもまだ2チャンネルある。そのうち1つは明度センサに使うつもり。室内環境モニタとして温度センサも考えているけれど、これはアナログではなく、デジタルセンサを使うつもり。