■豊美の「blooming展」を観に行った時、ついでだからと豊橋に立ち寄ることにした。立ち寄る場所に選ぶのは間違っているということはすぐに気が付いたのだけど、まあ、そういうこともある。
ちなみに豊田市に向かう途中豊橋に立ち寄るというのは、横浜から厚木へ行く途中、小田原に立ち寄るのに近い。そういう間違い方。
豊橋に立ち寄ったのはミルリトンという焼き菓子を求めてのこと。ミルリトンというのはあれです、『夜に猫が身をひそめるところ』(吉田音)に出てくる「この世でいちばんおいしいお菓子! らしい」お菓子です。この世でいちばんおいしいお菓子なら、他にお菓子はいらないじゃないか、それじゃあ一度食べてやろう、とか思うわけですが、惜しむらくは入手方法がわからない。あんまり近所でミルリトンをみかけないので。
とか思っていたところ、愛知に来て、あちこち検索していたらその「ミルリトン」を屋号に持つケーキ屋さんを豊橋に発見したのでした。もうGoogleで「ミルリトン」と言えばこのお店、みたいな。
場所は豊橋なんですが、この店舗案内の地図は横浜人の感覚ではどっかおかしい。地図に書いてあると徒歩でいけそうな感じがしてしまうんですが、これ、車での来店を前提にしていますね。少なくとも「豊橋駅から」は歩けば1時間。最寄り駅は豊橋鉄道渥美線の愛知大学前か南栄になると思います。それでも徒歩20分ほど。「閑静な住宅街の中に」と案内にはありますが、確かに地目ではこのあたり宅地なんでしょうが、街を形成しているとは言い難い印象があります。閑静なのは間違いないと思いますが。
なんとなく拡散している住宅地というか、住宅地の外縁を、写真の中に見える尖塔を目指して歩いていたら、そのお店はありました。車中心だと立地条件てあまり意味を持たないのか?
この日は真夏日で、さすがにちょっときつかったのだけど、店内に入って人心地がつきました。店内はスタッフも来客も女性ばかりで、さすがにたじろぎましたが、まあ、気にしない。店内はケーキの香料の匂いでいっぱい。あれこれ選びたいところだったんですが、真夏日の徒歩移動で、しかもこれから美術館に寄るわけで、どう考えても焼き菓子以外安全に運べるはずもなし。
幸いミルリトンは焼き菓子なので、4つほど。まともに考えると交通費の方が全然高いんですが、考えると不幸になるので考えない。
今回愛知大学前駅を使ったのですが、この駅は小田急の「東海大学前駅」とは違って、物理的に校門の前にあります。それはともかく、校門前には大学らしく立て看が並び、「笹島移転反対」の文字が。笹島というのは、名古屋駅に程近い空き地ですが、地理的には便がいいような気はします。それともよそ者には窺い知れない魅力がこの土地にはあるのでしょうか。
それはそれとしてその愛知大学前でこんな信号機があることに気が付きました。
写真では解りにくいですが、T字方の交差点の向こう側を向いている信号機があることがわかるでしょうか。あの奥には豊橋鉄道の線路と、愛知大学の敷地があって、よほどの大工事でもない限り十字路にはならないと思うんですが、なんなんでしょかね。
ちなみにミルリトン、おいしゅうございました。「この世でいちばん」かどうかを決められるほどのお菓子を食べたわけではないので、その判断はつきませんが、また食べたいなあと思わせる、今のところ唯一のお菓子であるのは確かです。ちょっと控えめの甘さが良いです。残念ながら、歩き回っている間に案の定ケーキ箱の中でひっくりかえったりしてちょっと崩れてしまったので写真はありません。
もうちょっと近くにあれば頻繁に買うだろうなあ。リエーブルでも作ってくれないかしらん。さすがに豊橋だと遠いなあ、というかミルリトンだけを買うだけが目的で行くにはちょっとなあ。