■山口県はやたらダムが多いように感じていて、しかも気楽に出かけることができる。駅からバスで10分か20分も行けば結構大きなダムがある。奥地には奥地でダムがあるのだけど、足が無いのでそこは無理だけど、時間ができた折にまたもや行ってみた。今回は岩国に程近い柳井市のダム2つ。もともと日を分けて片方づつ観に行くつもりだったのだけど、道に迷って結局2つ見ることになった。石井ダムと、黒杭川ダムの2つ。
やない駅は山陽本線の駅。朝早く出て、着いたのは朝の9時過ぎ。5番のバス停から大の口、宮が原、長野という土地を回って柳井駅に戻る循環バスに乗る。当初は黒杭川ダムを目指していて、たぶん、上馬皿(かみばさら)というバス停で降りればいいのだろうと思っていた。
循環経路のため、遠回りになったのだけど、柳井奥地の山の中をぐるっと回ってちょっとした観光感覚。といっても普通の農村なんですが。バスは村の中の生活道路というか、3.3メートル幅あるかどうかという細い道を抜けていきます。軒先をかすめるような感じで、時折路駐の車があってもなんとか避けていく技量に感心。対向車が来たら確実に立ち往生するはずだけど、そんな事態は起こらず、何か奇跡のようにも思う。狭い山道をかわいいバスは抜けて、上馬皿に。
バスを降りて途方に暮れたのは、ダムへ向かう道が解らないこと。バスの車窓から見えた景色の中に高架橋が見えたのでまずはそちらへ。勘だったんですが、歩きながら気付いて、携帯電話の地図アプリで現在地点を確認してみると間違ってはいなかったことを確認できた。ただし、石井ダム。本命ではなかったのだけど、行きがかり上そのままアプローチを続行。
石井ダムはその足もとに公園があり、ダム斜面を登ることもできるようになっていて、とてもフレンドリー。下流側は草に覆われてアースダムの趣十分。ダム堤の足元まで近づけて、あまつさえ登れるのは初めてでした。穏やかな表情を持つダムです。「石井ダムパーク」という黄色いロゴがアクセントというか、ちょっとファニーな印象を与えます。
トレッキングというかウォーキングにぐるっと一周しても良いように思えたのですが、黒杭川ダムにも行かなければということで、一周はせずに、周辺の写真を押さえて引き返しました。
途中、「自然薯栽培発祥の地」の看板を見つける。へー。
結局のところ、柳北小付近まで戻り、県道7号に入って山の中へ。10数分も路肩を歩いていくと黒杭川ダムの管理事務所に到着。堤体上の道には事務所脇のスロープを下って簡単に入れる。それほど高さのある感じはしない。このダムも石井ダムと同様、堤体のすぐ足元が公園になっている。ただ、その公園へのアプローチパスが上からだと解らない。とりあえず堤体を渡りきって反対側の山道を降りる。
折りきったところにあったのは、かつて農地だったところを宅地転用したらしき場所。その宅地はエリア内で道路が完結しているようで、公園には入れそうもない。
やむなく、ダムから流れる川沿いに上って、小さな橋を渡って公園敷地内に。何年も空のままという風情のプールもあって、なんというか、否応なく「打ち捨てられた土地」という雰囲気が強く漂う。そんな中で噴水だけは勢い良く水を噴き上げていてちょっとシュール。RPGのフィールドマップで単なる飾りとして置かれている噴水、といったような、何かひどく場違いな感じがします。
とりあえず目的は達したということで、軽く食事。メロンパン食べただけですが。
食べている中で気がついたのですが、この噴水はダムの水を浄化せずに使っているようで、ちょっと臭います。下水のそれではなく、淀んだ池の水の臭い。吹き上げられる水そのものはとても綺麗に見えるので、そこはだいぶ残念な感じはしました。
問題は帰路で、バスの時刻がうまく合わない。臭う噴水の近くにあんまり長いするのも嫌だったので徒歩で柳井市街へ戻ることにしました。ここまで歩くようになるんだったら、トレッキングシューズも揃えることをそろそろ検討した方がいいのかもしれません。
柳井市にはちょっとした観光ポイントがあったのですが、それは次回。