■山口は殆どが山で、平地があまりない。だから、というわけではないのだろうけど、ダムが近い。海岸線あたりの宅地からバスで30分ほどでダム湖に行けたりする。そのあたり、山道を延々走ってたどりついた神奈川のダムとは趣きが違うようなので観に行った。
行ったのは末武川ダムというロックフィルダムで、ダム湖は米泉湖(べいせんこ)。下松市にある。米泉湖の名前の由来は、ダムに沈んだ米泉峡にちなんだのだという。バスは下松駅から八代・魚切行き(1番のりば)に乗ってせいぜい30分くらい。ただ、バスのダイヤは改正され、朝・夕に集中していて昼間は薄くなる模様。
下松駅発12:10の便に乗って米泉湖バス停で下車。降りたところから少し戻ると米泉湖公園があり、その公園内を通り抜けて湖沿いの歩くと、ダムの堤体にたどり着きます。
ロックフィルダムというと、神奈川で見た本沢ダムを思い出しますが、あちらは表面がきれいに慣らされていて穏やかな表情を持っていたように思います。それに比べると末武川ダムは積み上げられた荒石が露出していて、なるほどロックフィルだなと。こういう表情を持っているほうがロックフィルダムとしては普通のようですが。
ダム堤体上から川下方面を見やると、かつてあった米泉峡の姿がなんとなく透かし見えるような気がします。ダムという巨大土木構造物も好きですが、沈む前の米泉峡というのも見てみたかったようにも思いました。渓流釣りとかできたのでしょうね。
ダム周辺の遊歩道には地元から募集した俳句の句碑が幾つも並んでいます。自分は俳句をよく嗜まないので、と言ってしまうと身も蓋もないですが、それでも見るとはなしに見ていると、中に「冤罪の奥へ奥へと桐の花」というのがあって戸惑いました。日本史絡みかな。
帰りのバスの時間まであまり間が無かったので、堤体を渡りきるとすぐにバス停へ引き返す。13:34発の便で、周防花岡駅で下車。周防花岡駅は岩徳線で、徳山方面の列車との接続は良かったです。交通費を考えると周防花岡駅からバスにつなげるのがベストですが、岩徳線は便の本数が少ないのがネックです。
ちなみに米泉湖公園周辺は水飲み場はありますが、売店の類は全くありません。お腹すかして現地に行くと、さらにお腹を空かして降りてくることになります。
ところで、米泉湖周辺の道を歩いていたら「米泉湖ハイキングコース」なる看板があって、どうみても荒れている山道なんですが、気にはなります。