■スラロームは一本橋以上に難関だろうなあと、コースに出る前には予想していました。なにしろスラローム走行をしたことがない。実際のコースではロードコーン3つを並べた壁を4.5メートル間隔で左右にオフセットして配置されていて、そこにバイクで突っ込んでいくと最初は壁に飛び込んでいくように思えました。コーンに接触してしまいそうに感じたので、1速に落として半クラでクランクを抜けるように走ったことを覚えています。後になって考えてみると、これは千鳥走行に近いコース取りをしていたのだと思います。通過速度がかなり遅いですが。
スラロームについては走行のイメージが全く掴めないことが難しさの一因にありました。数字をおさらいしてみると、パイロンで作られた壁と壁の間隔、4.5メートルというのはCB400の全長、約2メートルに対して倍以上の距離があります。スラロームの開始が最初のパイロンの横を通過する時、車体の半分を過ぎれば、感覚的にはシートに座る自分自身の横を過ぎたときに進行方向を変えてやれば十分に通過できる間隔を持っているということが分かります。
あとは制限時間内でスラロームを通過するためにある程度のスピードを持っていることが必要ですから、そうなるとハンドル操作で曲がるようだと外側に倒れるだろうということが予想できます。ハンドルではなくて車体を傾けて曲がらないとなりません。ただ、その感覚は経験がありませんでした。普通に公道を走っていてスラローム走行をする機会はまずありません。なので、そこは意識してズーマーで蛇行走行をして感覚を掴もうとしました。一旦「スラローム走行」の感覚が分かると実際の走行もイメージしやすくなり、スラロームもクリアできるようになりました。
いつの間にかロードコーン3つで作られた壁が壁のように見えなくなっていたのですが、それはCB400の走行に慣れて、気持ちに余裕ができていたからかもしれません。スラロームに突入する前にどのように車体をコントロールすれば良いのかを知っているのと、知らずに飛び込んでその時その時に判断を重ねるのとでは車体の操作にかけられる余裕が違ってくるように思います。