■梅雨明けの頃、1泊2日で広島へ行った。例によって目当ては現美で、広島市現代美術館(HMOCA)を訪れるのが主目的。名古屋からでも広島はさすがの遠さなので、ついでに途中、大阪の国立国際美術館(NMAO)に寄ることにした。NMAO隣には市立科学館もあって、こちらには学天則も展示されているという。
天気予報によれば大阪も広島も晴れ。少なくとも雨は降らないということだったので、傘は持たなかった。使っていた折り畳み傘が壊れていたということもあったけど。
まずは新幹線で一路新大阪。そこで東海道線に乗り換えて大阪駅に。大阪駅で地下鉄四ツ橋線に乗り換えて肥後橋駅へ。昔大阪/西梅田の地下街経由で乗り換えするときに迷ったことがあったのですが、今回は大丈夫。
NMAOがある中ノ島周辺はオフィスビルやマンションが建ち並ぶ、都会の真ん中。脇を流れる土佐堀川は幅も広く水量もあり、かつての《水の都》、水運が盛んだった頃の景色をかすかに偲ばせる。
NMAOの隣には大阪市立科学館があり、地下にもぐったNMAOと比べると見た目解りやすい建物。こちらには《学天則》がある。同科学館の目玉展示らしいのだけど、それにしては入り口脇にぽつねんと置かれていてちょっとぞんざいな扱い。入り口脇にはもうひとつ、ルービックキューブを物理的に解く《キューブくん》があるのだけど、子供達の喰いつきはこちらの方が上だった。学天則とキューブくん、で新旧ロボットの配置となっているんだけど、資料的な興味がないと学天則は地味だものなあ。
NMAOの展示と学天則を拝むといい感じに昼過ぎ。どこぞ食べれられる所はないかねとうろつくも昼時なのでどこもいっぱい。かろうじてNMAO近くに軽食・喫茶のカレンというお店があり、こちらでスタミナカレー1号を注文。裏庭にコンロを置いて煮炊きしているようで、それはちょっと驚いたかも。スタミナ1号は茄子カレー。ご飯の量が意外と多かった。
地下鉄の連絡が良ければ日本橋の共立モルタル店をのぞいてみたかったのだけど、そちらは見送り素直に新大阪へ戻る。
新大阪-広島間で一眠り。ふと目が覚めるとそれほど遠くない山がえらくガスっているのが見えた。ただ、ガスといってもちょっと黄色っぽく、ヘンなガスり方だなあと見ていたら、突然水滴が窓ガラスを打った。豪雨だった。
天気予報は外れたなあと空を眺めていると広島へ近づくにつれて次第に明るくなってく
る。到着した時には晴れるといいなあと思っていたら、その通り、雨は上がった。
広島での行程は、初日は宮島。2日目は平和記念公園周辺を見た後、広島市立現代美術館と県立美術館をはしごするつもりだった。
宮島は、到着すると再び強いにわか雨。ただ、続いた雨が大気の埃を落としてくれるから、湿度がやたら高いことを除けば撮影にはちょうど良い感じとなった。
二日目は美術館めぐり。HMOCAの《ヒロシマ》展は石内都の写真展示だが、石内の作品は前日のNMAOのコレクション展示で目にしていた。大阪と広島で企画連動させていたのかどうかは解らない。
広島を訪れたのが夏だったということもあるのだろうけど、広島市内にある美術館のうち2つを廻って感じたのは、ヒロシマは忘却を許されない土地ということだった。戦争で深く傷を負ったのはヒロシマだけではなく、オキナワもそうだし、トウキョウだってそうだった。でも、少なくとも昨年のオキナワのOPMAMの企画展で感じたことは、その傷は未だ形を変えて続く、生活感と共にあるものだということだったし、トウキョウについていえば改まって指摘するまでもなく、時間によって消化されてしまった。かつて戦争があったことすらあやふやになっているかもしれない。
自ら忘れることを許さない土地。ただ、傷の実体そのものはすでに消えようとしている。だからこそ、忘れまいという努力が執念のようになっているのだろう。
んー、やっぱり冬に来るべきだったかな。牡蠣もシーズンだし。まあ、それはともかく、1泊2日の行程をざっくり書き流してみたのだけど、全て書ききれているわけではないので、広島ネタはしばらく続きます。
ただ、最初に書いておきますが、広島風おこのみ焼は食べ損ないました。